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「サービスデザイン」と「組織」の2つの関係性について色々と考える一日でした。
端的に言ってしまえば、「良いサービスデザイン」は「良い組織」がないと実現しない、という話です。

組織は「現状に最適化」される

「サービスデザイン」という仕事は、日本ではまだそれほど広く知られていません。

takramのpodcastを聞いていて、良いサービスデザインとは良いバックエンド側の設計ができること、またそこに人をinvolveできることである、という話をされていました。

サービスデザインを推進するに当たって、既存の組織ボトルネックになっていることも多いそうです。ヨーロッパのサービスデザインファームが取った大規模な調査によると、サービスデザインのプロジェクトのうち、実際に世の中にリリースされるものは「49%」だったとのこと。
(日本でデータ取ったら、確実にこれより低いだろうな…)

組織は「今のサービスの提供」に最適化されて変化していくという性質があります。
言い方を変えれば、これは「オペレーションの生産性を上げること」であり、個人の感覚で言えば「仕事の手間をなくす、楽にする」ことで、極めて理に適っています。

Webで申し込み、紙の書類に書く。

この「現状に最適化された仕組み」の上に、「今までとは違ったサービス」を乗せて運用しようとすると、大小様々なレベルでコンフリクトが起こります。

先日、象徴的だと思う体験がありました。
“WeWork的”なことを目指している(と個人的には感じた)日本企業の運営するコワーキングスペースを1日利用しに行きました。
キレイなwebサイトがあり、そこから会員登録→1日利用申込、と手続きをして、利用登録は完了。
しかし、いざ現地に行ってみると、「申込用紙に記入をお願いします」と、さきほどwebから入力したのと重複する情報も記入を依頼される。

大した手間ではないんですが、ユーザーとしての体験を考えるとちょっと残念な気持ちにはなりました。

ただ、これを具体的に改善することをイメージすると、結構大変です。
この会社は、長らく「書面」によって顧客情報を収集してきたのでしょう。この「書面がマスターとして存在する」状態で最適化されたオペレーションに対して、「web導線からの登録」を組み込もうとすると、
・データベースの一元化はちゃんとできるのか
・現状の書面での登録フローと重複しないのか
・書面を元データとして参照しないと困る業務・部署はないのか
・webサイトとデータベースはちゃんと連携できるのか
・どの部署がそれを責任持ってやるのか
などなど、色んなレイヤーのことを考慮しながら進める必要があり、とてもパワーが掛かります。

組織の構造や文化に行き着く

「じゃあどう変えていくの?」という疑問が浮かんできますが、突き詰めると「組織構造」や「組織文化」をどう変化させていくのか、というところに行き着きます。当然、一朝一夕で進む話ではありません。

Newspicksのオリジナル記事で、寺田倉庫の特集がされていました。ここは社長が交代したことに伴い、事業も変え、組織も1/7になり、ほとんどのメンバーが入れ替わったそうです。これくらい果断に進めるのは一つのアプローチ。

他には、社内で新規事業をやる選任部署、子会社などの「特区」を作って、まずは小さい成功体験を生み出していく、というアプローチも良くあります。

どちらにせよ、「組織」だけをスコープに考えていても意味がなく、「事業」もっといえば「顧客」「顧客体験」までスコープを広げて初めて意味のある筋道が見えてきます。


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