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自分自身で全てをコントロールできることのリスクを認識する。

先日書いた記事にあるように、骨に「壊す細胞」と「作る細胞」が併存していたり、ディープラーニングのGAN(敵対的生成ネットワーク)が「作る」と「審査する」の相互作用で学習が加速したり、いずれにせよ「健全な緊張関係」があってこそ最適化が進むのだと思います。

今回、自分自身でゼロから会社を立ち上げるにあたって、いかにして「経営における健全な緊張関係」を作っておくべきか?というのは考えさせられます。
言い方を変えれば、経営者である自分自身に対して、「ズルをする可能性を事前に見込んでおく」ということだと思います。

企業をチェックする仕組み

では、どのようなチェックの仕組みがあり得るか?ざっと考えると3つあります。

1)専門家によるチェック。

外部のプロフェッショナルにお金を払ってその役割を担ってもらうケース。士業の顧問を付けることや、広義には社外取締役などもここに含められます。
この場合、こちらがお金を支払う「顧客」である以上、構造上、契約を続けたいというインセンティブが働き得ます。プロフェッショナルの側の立場で言えば、イチ顧客を継続することよりも、社会的信用の毀損リスクが高ければ、健全なチェックが保たれることになります。
(そっちのチェックが働かないと、依頼するプロフェッショナルの職業倫理や能力に依存しがちになる)

2)金銭的な利害関係者によるチェック。

株主や借入先のような立場を置く。現時点ではやっぱりこれが一番パワフルでしょうか。
株式を公開することは、株式市場に晒されることによって最も強く経営への監視機能が働きます。銀行などから借り入れる場合も、相手は限られますが健全な説明責任を果たすことが期待されます。

3)社会によるチェック。

会社の情報を徹底して透明化する。ICOなどではこっちにイメージとしては近いです。外部に対して広く会社のビジョンや価値観の理解を促進することも含めて、有効な打ち手ではある。
ただ、構造としては「都合の悪いことは隠す」というインセンティブが企業側に働きえます。ここは、いかにして「仕組み」として隠すことを阻むか、もしくは「隠すことのほうが非経済的」という状態を作るか、といったことが求められます。

そもそも「どんな会社」を目指すのか?

ざっと3つに分けましたが、当たり前ですが、どの方針を取っても、企業の側が「どんな経営をしたいのか」「どんな会社を作りたいのか」という思想がどれほど伝えられるのか?というところが根本に来ます。一般的には、「経営者」がその責務を担い、専門家、株主、金融機関、などに対して説明することが期待されます。

その役割はもちろんゼロにはならないにせよ、いかにして「組織全体」としてその思想が伝えられるのか、「サービス」「プロダクト」を通じてそれを広げられるのか。組織として成長・成熟していくという観点で言えば、様々な形での「価値観の体現」が1つの切り口になっていきます。